ARCHITECTURE

光が交差する異空間チャペル

大宮駅西口地区には事業主の学園が数棟ある。
この計画から３年ほど前に設計した大宮ビューティーアート専門学校もその一つである。
学園には圧倒的に女生徒が多くウエディングや美容は特に人気が高い。
だがこの大宮地区には本格的にブライダルを学ぶためのチャペルがまだ無かった。
今回の新校舎1階にはチャペルをつくって欲しいという依頼であった。
 　
敷地は小さくワンフロアに教室２つとエレベーター、階段、便所を配置するのがやっとである。
ダイナミックなチャペルを計画することはとても厳しい。一部を天井の高い空間とし、司祭台正面には縦長のスリット窓を設けて自然光を取り入れる計画とした。
バージンロードの床はスラブを下げてボックスを埋め込み、強化ガラスで仕上げた。
さらに床内部にはLEDのライン照明を敷き込んで光の通路を造り白と緑の花々をあしらった。
間接照明があちこちに反射して人々の気持ちが高揚する異空間をつくり出した。

チャペルの他、２つの調理実習室とエステ実習室が入る機能の充実した施設である。
建物本体はカーテンウォールとタイルを組み合わせてシンプルなデザインとし、多様な用途に追従した。

（本地 晶子 / ウイングスペース一級建築士事務所）